博士号の基準って何? ::: 2007/11/08 (Thu) :::
今日は博士号の審査基準について書いてみようと思います。
僕の知っている基準とは違う基準で審査されているところも多いと思いますが、今日は僕が知っている方式について書きます。
学位の最高位である博士号。
これを取得するためには、通常、大学院博士課程(通常は学部4年、大学院修士課程2年の後の3年間)に在籍し、博士学位論文を執筆して、論文審査会に合格しなければなりません。
通常と書いたのは、博士課程に在籍しなくても、論文のみを提出して博士号と同等の能力をい持っていると認められた場合に取得できるという論文博士という制度が日本にはあるためです。
博士課程に在籍して、博士号を取得する場合、その博士号を論文博士に対して課程博士と呼びます。
さて、課程博士にしても論文博士にしても、博士学位論文を執筆し、審査に通らなければなりません。
工学系ならば、通常、博士論文審査の前に2〜3本の査読付学術論文を公表している状態になければなりません。(査読とは審査のことで、審査を通らないとその論文は公表されたことにならない)
この審査の基準、実は大学、学部、専攻などによってまちまちです。
先日、博士(工学)の学位を持っている後輩と話をしたときのこと。
後輩「博士号なんて、やったことをシナリオ立てて説明すれば、それで取れるもんなんですよね。審査の先生なんて、別に自分のやっている研究の専門分野に精通している先生かというと違いますしね。結局、審査の先生も深いところまではわからないから。」
僕の身近なところでは本当に博士号の審査はこんな感じです。
博士論文の審査をしてくださる先生方というのは、ほとんどが同じ専攻の先生なのですが、最近では1つの学科、専攻でも、色々な分野の研究をしている先生がいます。
色々な分野を統合してやるという総合工学系の学科、専攻ならなおさらです。
そのような状況で、ある研究の深いところまではわかるはずもないんですよね。
僕自身、博士論文を5人の先生(主査1人(指導教員の教授)、副査4人(違う専攻の先生1人、同じ専攻の先生3人))に審査していただいたのですが、僕の専門分野を本当に深くまでわかっているのは、当時僕が所属していた専攻と違う専攻の先生ただ1人でした。
もし、これが5人が5人とも僕の専門分野に精通している先生だったとしたら、僕自身、博士号を取得できたのかどうか疑問です。
実際、国際会議などで僕の専門分野に精通している先生からは、研究について色々と辛いコメントをいただいたり、投稿した論文が審査に通らないなど、自分の研究能力がまだまだだなと思うことは多いです。
後輩の話に戻りますが、専門分野を本当に深くまではわかっていないという状況で、審査員の先生は何を審査するのかというと、結局、その博士論文研究をシナリオ立てて説明できるかということなのです。
例えば、以下のようなことを論理立てて説明できればそれでOKです。
1. 研究分野を取り巻く背景・現状をきちんと把握している。
2. 何故、自分の研究が必要なのかという研究の目的を説明できる。
3. どのような理由で自分が行った研究手法を採用したのかを説明できる。
4. 得られた結果が何を意味しているのかを説明できる。
5. 自分が行った研究の結果、研究の目的を達成できたのか、何がわかって、何に貢献できるのか、何がすごいのかが説明できる。
必ずしも、専門的な数学・物理・化学・生物・地学などの知識がなくてはならないということではないのです。
説得力のある説明さえできればいいのです。
こういう審査で博士号を与えている場合、博士号を持っている研究者が本当に創造性のある研究をできるかどうかはわかりません。
ただ、研究開発のマネージメント(管理)は最低限できると思います。
実際、僕が知っているサンプルがあまり多くないのでなんともいえないんですけどね。
他の大学とか学部とかはどうなってるんでしょうかね?
だらだら書いてたら、うまくまとめられなくなりました。
ということで、おしまい。
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